基礎知識:財務分析
財務分析とは、決算書をベースに勘定や数字を組み換えて、経営の問題点を発見する手法です。

健全な経営のためにも、財務分析でこのバランスをチェックする必要があります。
財務分析の目的
経営者が自社の財務分析を行うことによって、次のことが簡単にできるようになります。
・会社の現状を理解する。
・問題点を浮き彫りにする。
・会社の現状を経営幹部や従業員に理解させる。
・経営判断の結果を確認する。
つまり、経営者が抱える悩みである「業績についての不安」「夜も眠れない資金繰りの不安」をズバリ数字で説明できるというものです。
したがって、財務分析によって、経営上の問題点やその解決の糸口を早く発見できるという効果が期待できます。
当然、分析を緻密に行ったからといって、経営が良くなるわけではありません。
問題点を見つけ、改善策を考え、それを実践して初めて、業績や資金繰りの向上につながるのです。
【財務分析の手法その1:比較分析】
財務分析の手法として、比較分析という手法があります。
これは、貸借対照表や損益計算書について下記の3点を見ていく手法です。
1.昨年度や一昨年度との比較
2.同業他社との比較
3.予算との比較
この方法によって、単年度の決算書では分からない「傾向」や「問題点」を見つけることができます。
【財務分析の手法その2:収益性分析】
収益性分析とは、企業の収益性、すなわち「儲ける力」を判断するものです。
その代表的な判断指標が「資本利益率」です。
これは、どれだけ資本を投入して、どれだけの利益を獲得したのかを表します。
月次決算書のひとつである「月例経営分析表」では、代表的な資本利益率として、「総資本営業利益率」「総資本経常利益率」「自己資本利益率」を同業他社の数値と一緒にわかるように工夫しています。
さらに、資本利益率を分解した「売上高経常利益率」も表示しています。
効率的な経営かどうかを示す指標で、どの業種であっても10%は確保したいところです。
売上高経常利益率を向上させるには、商品の付加価値を高める、固定費を減らして減量経営をする、などの経営努力が必要となります。
【財務分析の手法その3:生産性分析】
生産性とは、事業にどのくらいの人や物を投入して、それでいくら稼ぎ出したかの割合をいいます。
生産性分析では、人を主体とする労働生産性の分析が中心となり、その代表的な指標である「一人当たり売上高」「一人当たり加工高(限界利益)」「一人当たり人件費」そして「一人当たり経常利益」を掲載しています。
とりわけ「一人当たり加工高(限界利益)」は、従業者一人当たりいくらの粗利を稼ぎ出したかを示す指標であり、自社の生産性の良し悪しを端的に表します。
同業者の数字、あるいは時系列に見て、自社の生産性が向上しているかを判断します。
また、限界利益に占める人件費の割合の「労働分配率」も重要な生産性分析の指標です。
世の中はデフレ経済ですが、人件費は毎年確実に増加します。
人件費の伸び以上に生産性を向上させることが必要です。
【財務分析の手法その4:安全性分析 】
安全性は財務の健全性と表現されることもあります。
先述の分析は利益面の分析でしたが、安全性分析は資金面にスポットを当てた分析です。
安全性には、短期的な資金繰りの安全性と長期的な財務構造の安定性の2つがあります。
短期的な資金繰りの安全性とは、企業の一時点における支払能力の大きさを指します。
一時点での支払能力を見る代表的な指標として「流動比率」「当座比率」も記載しています。
流動比率は、一般的には200%以上が望ましいといわれています。
もちろん流動資産の中身、質の検討も重要です。
長期的な財務構造の安定性は「経常収支比率」「自己資本比率」などで検討します。
このうち経常収支比率は、収支をフローでみて、一定期間の経常収入が経常支出を上回っているかどうかを見るものです。
これが100%を下回るということは、経常収入で経常支出をまかなうことができないということなので、その不足分は借入金でまかなわなければなりません。
流動比率や当座比率で一時点の支払能力の分析を行うだけでは、資金ショートの危険性を予知することはできません。
経常収支比率のチェックを一緒に行うことは、財務の安全性を図るうえで大変重要です。
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